中川 亮(デザイナー)|「SUGOI」が世界の共通語になる大会に
2024.11.27
EKIDEN NEWS主宰
2024.05.27
“箱根のエース”と知らずに追いかけて肉離れを起こした日から、人生が激変した。
普通の駅伝ファンが、今や総フォロワー20万人を誇る「EKIDEN NEWS」をたった一人で運営。
国内外、大小問わずあらゆる大会を現地実況し、選手からも一目置かれる存在として陸上界では極めて異彩を放っている。
既存メディアとは一線を画す異色の「中の人」は、陸上の魅力・面白さをどのように伝え、今の陸上界をどう見ているのか。
―EKIDEN NEWSの主な活動、発信内容を教えてください。
西本 新聞やテレビなど既存のメディアで取り上げられるのは試合に勝った、メダルを取った選手だけですよね。でも、そうでなくても結果を出している選手たちもたくさんいます。例えば5位でもこの選手にとってはすごく成長した順位だったりとか、自己ベストを更新したということを報じる媒体がないことが、みんなでEKIDEN NEWSを始めようというきっかけになったと思います。
―「みんなで」ということですが、EKIDEN NEWSは何人で運営しているのでしょうか?
西本 今は僕一人で全部やっています。EKIDEN NEWSのそもそもの成り立ちは、僕が箱根駅伝に興味を持ち始めたことからスタートするんですね。ただ、そこから翌年の箱根駅伝まで何もしないで待つよりはと思って『風が強く吹いている』という小説を読んでみたところ、日体大記録会やインカレというものがあることを知りました。それで大会に行ってみて、個人のアカウントで色々とツイートしていたら、目の前で行われている関東インカレのレースのラップタイムをTwitter(現X)で実況している人がいたんですよ。パン、パン、パンとすごい量のラップタイムがタイムラインに降ってくる。
―え、そんな人がいたんですね?
西本 ええ、それがEKIDEN MANIAさん(X @ekiden_mania)という人でした。正体不明で、ネット上では50歳過ぎのニートとも噂されていました(笑)。あらゆる会場に現れてラップタイムをツイートしているのですが、誰もその姿を見たことがない。一方、僕は目の前で起きていることとTwitterがリンクしていくのがすごく面白いと思って、Twitterと箱根駅伝を追いかけることにハマっていったんです。それで僕もレースを見ながら色々とツイートしているうちに、別の人たちとTwitterを通じて交流が生まれて一緒にレースを見るようになりました。そうして年齢も職業もバラバラの人たちが集まっていったわけですが、ある年の箱根駅伝で「横浜のホテルでちょっと広めの和室を取ったから、往路が終わったら遊びにおいでよ」と呼びかけたんです。それでビールを1ケース用意していたら、4、50人も集まってしまった(苦笑)。
―ビール1ケースでは足りないじゃないですか。
西本 そうなんですよ。4畳半の中、立食パーティーみたいになっちゃった。そのときに、EKIDEN MANIAさんが「僕もそちらに行きます」と表明してくれたんです!そうしたら、その正体を見たいと思った日本全国のオタクたちが余計に集まってきちゃって(笑)。そして実際に現れたEKIDEN MANIAさんは・・・20代の若者でした。
―意外にも若い人だったんですね。
西本 彼も大学生までランナーをしていて、箱根駅伝が好きで追いかけているとのことでした。それからEKIDEN MANIAさんとは毎週のように会うようになったのですが、彼は中学生の記録からチェックしているんです。そこからどのようにオリンピアンになっていくかということまで頭の中に入っているような、観戦の天才でしたね。それでEKIDEN MANIAさんと全国津々浦々の大会に出かけるようになって。そうしているうちに色々な人が集まるようになり・・・。その中に大迫傑選手のお父さんもいました。
―大迫選手のお父さんも! すごいメンバーが続々と集まったわけですね。
西本 はい。みんながそれぞれのアカウントでツイートしていたのですが、バラバラでやるよりも、せっかくだから統一のアカウントをつくって投稿した方がいいんじゃないかという話になり。それでできたのが『EKIDEN NEWS』だったんです。得意分野がそれぞれにあったので、EKIDEN MANIAさんはツイートと写真、僕はスマホを使ってライブ配信、大迫選手のお父さんはソフトエンジニアをされていたので、ウェブサイトをつくってくれました。ただ、こうした情熱というものはなかなか長くは続かないもので、最終的には僕とEKIDEN MANIAさんの二人だけになってしまったんです。そして、東京2020オリンピックの男子マラソンを境に、EKIDEN MANIAさんが世の中から姿を消すんです・・・。
―えっ・・・、どういうことですか?
西本 その日から音信不通になったんです。大迫選手の6位入賞をツイートした後から、誰も連絡が取れなくなりました。もう10年以上も彼とは付き合いがありましたが、陸上競技を通じた付き合いしかしていないから、それ以外のことをほとんど知らないんですよ。どこに住んでるかも知らなくて。いまだに連絡が取れません。ちょうどお子さんが生まれたと聞いていたので子育てがさらに忙しくなったのか、あるいはコロナ禍もあったので活動が思うようにできなくなったのか・・・。だから、EKIDEN MANIAさんがいつでも帰って来られるようにEKIDEN NEWSを続けていようというのが、今の大きなモチベーションの一つですね。
―とりあえず、EKIDEN MANIAさんの安否確認だけでもしておきたいですよね。
西本 ええ。あらゆる手を使いましたし、1億ページビューを誇る文春オンラインを使って告知してもダメでした(苦笑)。ただ、僕をここまで導いてくれたのはEKIDEN MANIAさんです。中国の内陸部であった世界クロカンまで単身乗り込んで、その翌日には東海大の記録会に現れたり、大迫選手が出場したオレゴンの大会を現地からツイートしたり。彼は英語も全く喋れないはずなのに、とにかくものすごく行動力のある人。だから、僕なんかは全然足元にも及ばないですよ。彼がいなかったら、ただテレビで見て「今年も良かったね」と思っている普通の駅伝ファンだったと思います。
―EKIDEN MANIAさんが無事に帰ってくることを願いたいですね・・・。では、EKIDEN NEWSの発信内容に話を戻したいのですが、駅伝や長距離に限らず陸上競技全般にわたっています。どのような基準で発信しているのでしょうか?
西本 そのときに興味があるもの、ですね。種目ではなくて選手、人による場合が多いです。ジャンルが好きというのではなく、その人が好き。これは陸上に限らず、例えば落語でも「この人が面白い」というのが基準になっていますね。
―その選手に興味を持ったり、好きになるきっかけはどういったところにあるのでしょうか?
西本 この選手はいい、伸びるに決まっているという感覚ですね。僕、伸びそうな人がなんとなく分かるんですよ(笑)。これはちょっとした特技だと思っていて、過去に吉本興業にいたこともあっていろんな芸人さんをみてきたから「この人は華があるな」というのが分かるんです。競技力の高さと華があることはちょっと違っていて、華のある選手にはまず違和感を感じるんです。違和感があるから目に止まり、1回、2回、3回と見ていくと点が線になり、物語となってつながっていく。それをアウトプットしているというイメージですね。
―なるほど、そうやって選手を追いかけているわけですね。では、EKIDEN NEWSを運営していくにあたって、そのほかにも工夫していることは何かありますか?
西本 なるべくバズらないようにしていくことです。
―バズらないように? SNSというと、みんなバズを求めているように思うのですが。
西本 バズることを目的にすると、数字に囚われてしまうので本質が見えなくなっていくんです。数字があるとそれに従わなければいけなくなり、数字の高いものが良いものという価値になってしまう。それはやめようと。それに中途半端にバズっちゃうと、すぐに消費されつくされてしまいます。以前、糸井重里さんの「ほぼ日刊イトイ新聞」でコンテンツを作っていたときに学んだコツみたいなものです。動機を失わずに運営していくために大事なこと。ついついバズった成功体験にとらわれて、同じようなことをなぞりたくなってしまう。ここが危ないところで、毎日、気持ちをゼロにしてやっていかないと成長しないし、なにより自分自身が飽きてしまうんです。
―ウェブメディア関係者全般に突き刺さる金言をいただいた気分です。そして、あえてバズらないようにしている運営方針の中でXでは11万人もフォロワーがいるというのがすごいと思います。
西本 そういうことばっかり考えてるんですよ(笑)。メディアの皆さんはXを宣伝媒体として使っているように思うんですよ。でも、見ている人たちは宣伝はイヤじゃないですか。見ているときは宣伝がイヤであんなに飛ばしているのに、発信する側になると宣伝ばかりする。僕はそれをしないだけです。
―宣伝をせずに、陸上ファンが欲しいなと思う情報だけを届けている。
西本 情報と言いますか、Xの中身をすべてコンテンツにしていると言った方がいいですかね。テキストが釣り文章ではなく、コンテンツになっていればいいわけで。そうすると写真があって、タイトルがあってボディコピーがあるポスターと一緒ですよね。そういうふうに1ポストが1枚のポスターとして完結するコンテンツだと思ってつくっています。
―では、ここからは西本さん個人のお話をお聞かせください。陸上に興味を持ったきっかけは何だったのでしょうか?
西本 2008年ごろ、ちょっと太ってしまったのでジョギングを始めたんです。東京マラソンにもエントリーしようと思って、砧公園を走っていました。実は砧公園というのは日本長距離界の聖地のような場所で、早朝や日中の人出がない時間帯は日本のトップ選手や箱根駅伝常連の駒澤大学の学生も練習で走ってるんです。それである日、腕を覚えたころでもあったので駒澤の学生の後ろをちょっとついて行ってみようと追いかけたら、肉離れを起こしました(苦笑)。
―体がついて行けなくて悲鳴を上げたわけですね(笑)。
西本 メチャクチャ速かったです。そしてその翌年、保土ヶ谷にある妻の実家では箱根駅伝を沿道で応援するのが恒例行事になっていたので、僕も参加しました。と言っても、僕は福岡県出身の九州国際大出身なので全く興味がない。でも保土ヶ谷は2区のエース区間で、ある駒澤の選手が目の前をすごいスピードで駆け抜けていったんです。それが、肉離れの原因になったアイツだったんですよ。
―それはすごい偶然ですね。
西本 はい。アイツ、エースだったんですよ。そりゃあ肉離れにもなりますよね(笑)。宇賀地強さんという選手だったのですが、それから「アイツ、すごいな。もっとレース見たいな」と思ったのが本当の始まりで、それから関東インカレを見に行ったりするようになりました。そして、彼が日本選手権に出たり、マラソンにチャレンジして競技人生をステップアップしていくのを追いかけるわけです。要は、今で言う“推し活”ですよね。彼のステップアップとともに僕の人生もステップアップしていきました。
―下積み時代のアイドルを追いかけながら一緒に上がっていく感覚ですね。
西本 ええ、ライブハウスから武道館に上がっていくみたいな。そうして追いかけていくうちに、彼が見ている視座が上がるように僕の視座も上がっていく。また、EKIDEN NEWSの活動当初は大迫選手のお父さんもいたから、大迫選手のステージが上がっていくにつれて我々のステージも大きくなっていきました。もう、みんな総出です(笑)。選手のステージが広がっていくから、それを見に行くために私たちの活動も広くなっていきましたね。
―そのような形でEKIDEN NEWSはどんどん大きくなっていったのですね。一方、先ほど吉本興業、糸井重里さんのお名前も出てきましたが、西本さんご自身の経歴も大変ユニークだと伺っています。教えていただけますか?
西本 吉本興業では会社に入ってすぐに明石家さんまさんのマネージャーになりました。その後に島田紳助さんのマネージャーになり、タイプは全く違う二人でしたが、最初にすごいものを見てしまったおかげで、その後の人生がすごく楽になりましたね。何を見てもあの二人に比べれば普通です(笑)。また、何を見てどう判断するのかという際(きわ)のところを最初の二人を通して見たので、これくらい視野を広げてやらないとダメなんだということが何となく分かった。それが、今の活動にもつながっていますね。
―新入社員時代からさんまさん、紳助さんというお笑い界トップの人を担当すれば、それは視野が広がりますよね。
西本 その後はロンドンブーツ1号2号やココリコの初代マネージャーを担当した後、CM制作の窓口の部署に異動したのですが、糸井重里さんの企画を担当したのが縁で「ほぼ日刊イトイ新聞(ほぼ日)」に移ることになりました。「そのうち忙しくなるから」と、特に役割もないまま入ったのですが、規模が大きくなっていくにつれ、総務的なことから人事、新規事業立ち上げに、イベントやテレビ番組制作といろいろやっていたので、ゼロから何かをつくり上げることが苦ではなくなりましたね。全部自分一人でやらないといけないから、企画者でもあり、演出者でもあり、技術者でもある。EKIDEN NEWSでもそのスタイルでずっとやってきました。自分で自分に発注するという感じです。だから、自分を裏切れないのでごまかしが効かないんですよ(苦笑)。
―それはすごくエネルギーがいる仕事ですよね。ゼロからつくるという意味では、西本さんは「オトナのタイムトライアル(OTT)」というランニングの大会を2013年につくり、今では大変な人気です。昨年7月には砧公園で「キヌクロ」というクロスカントリーの大会も開催しました。今、OTTで温めている新企画などはあるのでしょうか?
西本 陸上競技場の近くにはだいたい小さな公園があるので、そこを使ったレースを全国でやっていきたいですね。コンパクトな形の周回コースだったらランナーが目の前を何度も走るから、何度も応援できる。それがすごくいいなと思っているんです。ランナーにとっても誰もいない場所を走るよりも、ずっと声援をもらっている方がテンションも上がる。また先日、ロンドンのあるレースに行ったらトラックの中にDJが3組もいて、DJだけで大混雑していました(笑)。でも、これってアリなんだと。コース上にDJが何組もいたり、応援団がいたり、ママさんコーラスもいるというのを一つのコンパクトな公園内でできたらいいよなって。
―確かにそれは楽しそうな大会になりそうですね。
西本 これができれば、有名人を呼ばなくても人が集まるのではないかと思っています。それを僕は「ママさんコーラス理論」と呼んでいるのですが(笑)、陸上を全く知らなくてもママさんコーラスが出ればその家族、親戚が全員来る。バンドを呼べば、その友達やファンがたくさん来る。そういう形で人が集まって盛り上がれば、そこに広告、プロモーションが生まれる。そうしたモデルケースをつくってみたいですね。
―では、ここからは世界陸上についてのお話をお聞かせください。世界陸上が東京で行われる意義はどういうところだと感じていますか?
西本 こんなにマラソンが盛り上がっているのに陸上が盛り上がっていない国って、珍しいんですよ。最高峰のシリーズ戦であるダイヤモンドリーグは今年、アジアでは上海、厦門、ドーハと3大会あるのに日本では開催されない。それはやはり市場として魅力を感じてもらえていないからでしょう。また、僕はマラソンのシックスメジャーの大会(東京、ボストン、ロンドン、ベルリン、シカゴ、ニューヨークシティ)にすべて行っていますが、他の都市では陸上が根付いているのに東京はそうではない。WA(世界陸連)としてはマラソンもその他の種目も同じフィールドですから、無観客だった東京2020オリンピックで残せなかった陸上のレガシーと合わせて、盛り上がる市場を東京にしっかりと残したいんだろうなと思います。だから、世界陸上を契機に東京でも大きな盛り上がりをつくれるといいですよね。
―では、華のある選手を見つけることが得意な西本さんから見て、世界陸上で期待している選手、おすすめの選手はいますか?
西本 これがまだ分からないんですよ。と言うのも、2025年の世界陸上が東京に決まったことで、選手の目標がパリ2024オリンピックだけではなくなったんです。2025年にピークを持ってこようとする選手が増えてきましたね。田中希実選手や北口榛花選手の次の世代の選手たちが2025年に向かってスタートしたという感じです。だから、パリを目指す過程で新しい選手が出てくるかもしれないですし、パリが終わった後に出てくるかもしれない。今頑張っている若い世代の成果はパリに間に合わないかもしれないですが、今年の秋以降には絶対に出てくると思います。それが楽しみですね。
―今後、その過程の中で新世代の華のある選手をEKIDEN NEWSが発信していくというわけですね。非常に楽しみです。
西本 世界陸上に向けてファンの皆さんが準備するとしたら、Instagramを始めてくださいということですね。なぜならInstagramは世界とつながることができる窓口なんです。報道では競技のことしか伝わってこないですが、Instagramで色々な選手をフォローすれば「この選手はこういう人柄なんだ」とパーソナリティが分かってきて楽しいですよ。本当にInstagramのおかげで直接つながれるところがありますから。
―では、SNSを通して陸上とファンをつないできた西本さんの目には今の陸上界はどのように映っていますか?
西本 “変えたい”と思っている人たちが増えてきたと思います。よく「旧態依然とした」と言われることが多い世界ですが、世代が移り変わることで陸上界も変わってきているのが徐々に見えてきましたね。それが面白いです。僕の肉離れを起こした宇賀地さんはこの春からコニカミノルタの監督にもなりましたし、そうした人たちが陸上界を実際に動かすようになってきた。楽しいことができやすい環境に徐々になっているのかなと感じますね。世界陸上に向けても、TBSと横田真人さん(TWOLAPS代表)と僕とでYouTubeの番組を始めたんですよ。今までの文脈だと単なる番宣にしかならないので、しっかりとしたコンテンツをつくろうと思って。『S☆1』だけだと有名選手が走ったということしか伝えられないけれど、もっと陸上の話をいっぱいする場所をつくりましょうということで始めました。
TBS 陸上ちゃんねるでスタートした新番組
その名も『もっともっと陸上の話がしたい』
―今後の陸上界はどうあってほしいですか?
西本 僕はやっぱりお客さんなので、お客さんとしてすごく楽しめればいいかなと思っています。取材者、ジャーナリストではなく『最前列の客』というのが僕のコンセプト。そうしないと、本質が見えてこない。カメラを持っているふりして近いところでいいものを見るのが僕としても大事なことだと思っています。選手も金髪の僕を見つけてポーズを取ってくれたり、他のメディアに話す前にレースのコメントをくれたりするんですよ。
―選手とも素敵な関係を築いているのですね。では、今後のEKIDEN NEWSの展望を教えてください。
西本 物販とかもしていこうかなと考えています。マネタイズのことを全く考えていなかったことに今さら気が付きまして(苦笑)。これまでは僕の貯金でやっていたようなものでしたからね。こういう活動が続かないのはやはりマネタイズの部分が難しいからだと思いますし、ちゃんと儲けていかないと僕に続くような人が今後出てこない。もし僕が事故にでもあったら、そこでアカウントが止まってしまいますから。誰か手伝ってくれる人、後継者が出てこないかなと思っています。そのためにもマネタイズがしっかりできないといけないですよね。もしくは僕のように人生をつぎ込みながらやる人が出てくれば、僕はまた、ただのお客さんに戻れますね(笑)。
―もしかしたら、この記事を呼んで「我こそは!」という人が出てくるかもしれないです。
西本 本当は5億円くらいでEKIDEN NEWSを買収してほしいくらいですが(笑)。
―それは夢のある話ですね(笑)。それでは最後になりますが、世界陸上を楽しみにしているファンのみなさんへメッセージをお願いします。
西本 一番安いチケットを買って、ぜひ会場まで観戦に行ってください。もちろん、どの席でも面白いのですが、『一番安いチケットを買って全日程を観に行く』ことをぜひオススメしたいです。それが一番面白いですから。オリンピックとはまた違って、世界中から陸上が好きなお調子者、目の肥えたオタクたちがたくさん集まるので素晴らしい空気が生まれるんです。それはもうマジックですよ。実はブダペスト2023世界陸上で一番ドカンと盛り上がったのは、男子砲丸投でした。普通は男子100mとかだと思うじゃないですか。それは会場で味わった人にしか分からない。そうした空気をぜひ世界中の人たちと分かち合ってほしいです。
西本 武司(にしもと たけし)/1971年 福岡県生まれ
EKIDEN NEWS主宰
X・Instagramアカウント『EKIDEN NEWS』の中の人。吉本興業、ほぼ日刊イトイ新聞を経て、一般社団法人OTT代表理事。「オトナのタイムトライアル」など新しいレースを企画する。
国内外を飛び回り、レースを走ること、見ること、作ることと多角的にマラソン・陸上競技を楽しむ。
Instagram:ekiden_news
X:@EKIDEN_News
note:https://note.com/ekiden_news/
text by 森永 淳洋
photographs by 椋尾 詩
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