2024.12.17
子供スポーツ体験教室 第3回『走る!跳ぶ!投げる!陸上競技体験教室』レポート
2025.01.23
デフリンピック300日前! 豪華ゲストと陸上競技をまるごと体験
世界陸上やデフリンピックで活躍するアスリートと、きこえる・きこえないにかかわらず子供たちが一緒にスポーツを楽しみながら、大会のいろいろな魅力に触れることのできる「TOKYO FORWARD 2025 子供スポーツ体験教室」。
※特設ウェブページはこちら
いよいよ世界陸上・デフリンピックイヤーとなった2025年。新年一発目のイベントとして、1月19日(日)に第3回『走る!跳ぶ!投げる!陸上競技体験教室』を開催しました!
会場は2024年10月にオープンしたばかりのlivedoor URBAN SPORTS PARK内にあるブリリアランニングスタジアム。木組みの内観が特徴的なトラックに、参加者のテンションも上がっていました。
今回の体験教室はタイトルのとおり、「走る・跳ぶ・投げる」といった運動の基礎的な動作を一流アスリートから直接学ぶことができる機会です。
応募総数約400名から抽選で選ばれた小学1年生~4年生39名がこの日は参加。きこえる人もきこえない人もみんなで交流しながら、陸上競技の楽しさや魅力にまるごと触れました。
子供スポーツ体験教室ではおなじみ!手話の「拍手」でゲストをお迎え。
この日のゲストは日本短距離走界のレジェンド・朝原宣治さん(東京2025デフリンピック応援アンバサダー)、十種競技の日本記録保持者・右代啓祐選手、走幅跳の東京2020オリンピック日本代表・津波響樹選手、デフ陸上の200m金メダリスト・山田真樹選手。各種目を代表する豪華な顔ぶれにお越しいただきました!
世界陸上について学ぼう!
体験教室の始まりには朝原さんから世界陸上の紹介。
2年に一度開催される陸上競技の世界最高峰の大会であり、世界中の陸上アスリートが、この日のために人生を懸けて練習に取り組んでいることを伝えてくれました。
世界陸上に出場した経験のある右代選手と津波選手。
ご自身の経験から、世界陸上がどれだけ華やかな舞台だったか、そしてその中で最高のパフォーマンスを発揮する難しさを語ってくれました。
体験教室の2日前には東京2025世界陸上のマスコットが発表。柴犬がモチーフの愛くるしいマスコットで、ネーミングを絶賛募集中です! どの名前がいいか早速相談している参加者も・・・。ウェブサイトで候補3案から1つを選んでポチっと投票するだけですので、みなさんもぜひ清き1票を!
※マスコットのネーミング投票はこちらから
デフリンピックについて学ぼう!
続いてはデフリンピックについて紹介。
・・・の前に、「世界陸上の手話はどうやるか知ってますか?」と山田選手。
『世界』は地球の形をイメージして両手の親指と4指で大きな丸を作って、クルンと前に半回転。
『陸上』は選手が揃ってトラックを走っているイメージで、両手の指はすべて伸ばし、右脇辺りから前方に向けてグインとカーブを描きます。
この日はなんと東京2025デフリンピック開催300日前!
100年の歴史で日本で初めて行われるデフリンピック。きこえない・きこえにくいアスリートの夢の祭典が自国で開催される期待を語りました。
デフ陸上で使われるスタートランプの紹介も。
デフアスリートへスタートを目で見える「光」で伝えるための機器で、赤(位置について)⇒黄(よーい)⇒緑(どん!)と色が変わります。
締めは『デフリンピック』の手話にみんなでトライ!
親指と人さし指で輪を作り重ねて、上下を反対にしてもう一度重ねます。
みんなでコミュニケーション
世界陸上とデフリンピックについて学んだあとは、きこえる・きこえないにかかわらずコミュニケーションを取り合って、グループに分かれて列に並んでみよう!
ルールは・・・「声を出さない」。まずは5人組をつくってみる。そのあとはグループごとに「誕生月」の順番に並ぶことにチャレンジしました。
身振りや手振りなどでコミュニケーションを取り合うみんな。ゲストも一緒に、お互いの目をしっかり見ながら、「どうしたら伝わるか」を考えながら表現しました。
陸上競技体験 ~走る~
しっかりコミュニケーションが取れたあとは、いよいよ陸上競技体験へ。レジェンド朝原さんによる「走る」プログラムからスタート!
まずはウォーミングアップのランニング。
早く強く走るには正しいフォームをつくることが大事。山田選手をモデルに、フォームをみんなで確認しました。
背中は丸めずに・・・
ピン!と背筋を伸ばして、足をしっかり上げる。
正しいフォームを意識しながら、まずはもも上げの練習。
デフ陸上の中長距離走で使われるスタートランプで、きこえる人もきこえない人も一緒にスタート。
次はスキップ!しっかりと地面を踏んで、足を高く上げることを意識しました。
教えてもらったフォームで全力ダッシュ!
プログラムを終えて「はい、休憩!」と水を飲みに行くのも・・・ナイスラン!
陸上競技体験 ~跳ぶ~
続いては「跳ぶ」プログラム。まずは走幅跳のオリンピアン・津波選手のお手本ジャンプ。
その迫力にみんなびっくり!
プログラムはミニハードルを跳び越えるところからスタート。「走る」プログラムで習った正しいフォームで勢いをつけて跳んでいきます。
ハードルに慣れてきたら、次は「このマーカーを跳び越そう」。
「より遠くに跳ぶためにはどうしたらいいかな?」 朝原さんからコツを教えてもらいます。
最後はマーカーをもっと遠くに置いてみてチャレンジ!
みんな大ジャンプで跳び越えていきました。
陸上競技体験 ~投げる~
体験教室の最後は、やり投も得意な十種競技の日本記録保持者・右代選手による「投げる」プログラム。
ジャベリックボールという投擲練習用の用具を使います。
「まずはどんな感じか投げてみるので、みんな真似してみてね。」
約90mのランニングスタジアムの端から端まで届きそうなビッグスローに、みんなも保護者もスタッフも、会場全体が大興奮!
右代選手「3割くらいだけどね。」
みんなも早速トライ! まずはその場で、頭の上から投げてみよう。
より遠くに投げるには、利き手を後ろに、「大」の字のように両手を大きく広げて投げるのがポイント。
フォームが変わると、見違えて遠くへ投げられるように!
「大」の字のフォームが身についたら、最後は勢いをつける練習。1・2・3と後ろ足で助走をつけて投げます。
みんな、渾身のビッグスローで陸上競技体験を終えました。
デフリンピック300日前プログラム ~サインエール体験~
この日は11/15から始まる東京2025デフリンピックの開催300日前!
きこえない・きこえにくいデフアスリートに応援を届けたい・・・。そんな思いから誕生した“目”で伝わる応援のカタチ『サインエール』をみんなで体験しました。
※サインエールについてはこちら
教えてくれるのは西脇将伍さんと奥村泰人さん。
サインエールの3つの基本要素の一つ、「行け!」をみんなで練習!
「拍手」の手話と「がんばれ」の日本の手話をベースにした動きを組み合わせて、応援の想いをデフアスリートに届けます。
この日は「山田」という手話表現を教えてもらって、みんなで実際に山田選手をサインエールで応援!
「みんなの応援が見えたおかげで、最後まで“もっと速く!”と思って走れました」と笑顔いっぱいで応えてくれた山田選手でした。
閉会式
走る・跳ぶ・投げる、そしてサインエール体験と盛りだくさんだった一日。
「今日みんなが学んだことは、いろいろなスポーツに活かすことができます。みんなにはいろいろな“好き“を見つけてもらえたら嬉しいです」と、ゲストのみなさんからメッセージを送りました。
一日頑張ったみんな、そして楽しい時間を届けてくれたゲストのみなさんへ、お互いに「ありがとう」を手話で伝えました。
最初は「きこえない人にどう接したらいいのかわからなかった」参加者も、「一緒に手話を教えてもらったり、声を出さなくてもどうしたら伝えられるかをみんなで考えて、それでおしゃべりできたのが楽しかった」という声も。
陸上競技体験を通して仲良くなったみんなで、最後は陸上とデフリンピックの手話で記念撮影!
イベントの終わりにはアスリートへメッセージが届けられる体験や、競技の音を振動で感じられるユニバーサルコミュニケーション機器「Hapbeat」(ハップビート)の体験も。
子供スポーツ体験教室は次回第4回がいよいよラスト! この日だけのスペシャルなゲストをお迎えし、3月1日(土)@武蔵野陸上競技場で開催します。詳細は近日中に特設ウェブページで発表!! ご応募お待ちしております♪